滝の素人写真展 第5話 三階滝・竜天の滝 (青森県七戸町)      第4話へ   第6話へ(続く)

 今回は青森県七戸町の三階滝・竜天の滝です。これまで訪問した滝の中でも危険度は最高ランクです。

この紀行録は当時を思い出しながら書いており、間違った記述の可能性もあり、大震災の影響で
大きく状況が変化している可能性があります。訪問の際は他のHPも十分調べてからにして下さい。

訪問は東日本大震災前の2009年6月でしたが、当時で既に八幡岳登山道の看板は外され、登山道も廃道化していました。
沢登りの専門家であれば、さほどではないかもしれませんが、あまりの危険さにもう二度と来ない、と思ったほどです。
それでは、訪問当時を振り返ってお話ししましょう。
訪問のきっかけは偶々ネットで見つけた竜天の滝の名前のカッコ良さと訪問記事の少なさから興味を惹かれました。
下北半島訪問の途中に計画を組みました。もちろん、一日がかりです。
まず、作田ダムの少し手前に下の写真のブナ滝があります。特に標識もありませんが、石田砕石の看板のすぐ近くです。



作田ダムから先はデコボコで細い殿上沢林道を約1km進みますが、普通車だったので、途中で駐車して歩きました。
殿上沢橋を渡ってすぐ、枠だけの看板が入口の目印です。最初は藪でしたが、少し進むと踏み跡が見えてきました。
人があまり入っていないので、更に藪化が進んでいるかもしれません。
 川沿いに右岸を進むと15分程で小さな滝に至り、更に踏み跡を左岸に辿ると10分程で三階滝の第一の滝です。
ここまでの最大の難関は車での入口に至る長い林道走りでした。第一の滝への道自体は割と楽でした。



途中で沢を渡るので左岸から一番下の段しか見えなかったのですが、後で東北森林管理署のHPの写真を見ると、
その名の通り、三段に落ちる滝の写真があります。下段下流の右岸側から見える、とのことです。
しまった〜。今日、気付きました。
その写真を見ると下段が太い流身が一本、中段が幅広で流身が二本、上段が見える限りでは細い一本です。
三階滝の第二の滝へは左岸の巻き道を探します。急な斜面を残置ロープで登って第一の滝を左手に見ながら
進むと、次に待っていたのは小さな滝とその先の左岸の急な崖の細い草付きのバンド(足の巾の2倍位!!!)でした。
進むか退くか、しばらく迷った末、草付きを踏み抜かないか肝を冷やしながら通過。ここが最大の難所でした。
帰りに右岸を見た所、登山道のマーキングを見つけました。先達のHPを見てもここは右岸を巻くとあります。
わざわざ危ない経路を選んでしまったようです。やがて30分程で次の滝に着きました。
第二の滝です。第一〜第三の滝の中でも一番見栄えがしました。途中に斜めの段差がある太い流身です。
苦労した甲斐がありました。



はてな?…ここで疑問なのは先ほどの東北森林管理署のHPの写真との比較です。
HP写真の三階滝の中段は幅広の2条の滝でした。第二の滝はどうみても1条の滝です。
考えうるのは三階滝の中段が下段と連続しているため、一緒に巻いてしまったということです。
当時、巻くのに必死で、しかも連続した滝に見えており、第一〜第三の滝までは各々離れている
との事前の情報だったので、疑う余地など全くありませんでした。このHPの写真と比較するまでは…。
もう2度と来ないと思っていましたが、また宿題が残ってしまいました。
いつものことですが、詰めが甘いです。
当日は天気も良く、そんな事は露知らず、立派な滝に浮き浮きしていました。

第二の滝は左岸を巻きました。次の滝までは10分とかかりませんでした。
第三の滝です。第一・第二の滝と比べると小振りです。しかも傾斜が緩めで直登できました。



第三の滝を登った先にはすぐに竜天の滝があります。



長い滑り台状の下段と適当な大きさの滝壺があり、夏場であればウォーターシュートができたようです。
(震災後に落石で滝壺が浅くなっている可能性があり、要確認です。)
見えている部分だけでも三段の滝があり、ややこしいことにそのためにこちらも三階の滝と呼ぶ事が
あるようです。更に上段の滝を見ようと左岸の登山道跡に歩を進めましたが、途中で道が不明な事と
いかにも熊の出そうな笹薮であり、ここまでで引き返す事としました。帰りは入口まで1時間で戻れ
ましたが、本当に安心できたのはデコボコの林道を抜けて舗装道路になってからでした。

第5話 終わり


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